単独猟始めて半年未満のビギナーが、犬なし・スコープなしスキート銃・猟友会ベスト帽子着用で、猪・鹿の単独猟に11回出猟し、9頭を回収しました。
猟果につながったポイントを振り返ると5点あります。今回は#3-Stopです。
#1.自宅で、据銃や装填などの練習をしていました。
#2.射撃場で、スラグ撃ちの練習をしていました。
#3.猟場で、スニーキング/SLLS(Stop.Look.Listen.Smell)を意識して実践しました。
#4.実践で気付いたちょっとしたことを積み重ねました。
#5.経験者のアドバイスを実践していました。
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今回のキーワードです。
SLLS(Stop.Look.Listen.Smell)のStopです。
正直に打ち明けると、SLLSという考え方は単独猟を教えてくれた先輩から習っていました。
当時は鉄砲を持ってねり歩くという経験がなかったので、緊張してまったく実践できませんでした。そして先輩のレクチャーを受けてしばらくの間は猟に出ていなかったので「単独猟って五感を働かせるものらしい。でも実感わかないな…」という認識でいました。
その後、わたしが単独猟を経験して「見るときはこうやって、、、聞くときはこうやって、、、」と新人さんとお話していたら『SLLSは大切らしいですね』みたいなリアクションを頂きまして、そっとググって「あ、そういえば…」と思い出したものです。
自分で実践するまでは、そのくらい印象が薄いというか現実味のないものでした。
わたしの記事を読んだ方の中にも「毎日パソコンとにらめっこで都会っ子の自分が山に行ったところで、使ったことのない五感で野生生物をキャッチできるわけない」と思う方がいても自然なことだと感じます。
ですので半信半疑、うろ覚えで構いません。
いつか思い出したらこの記事に戻ってきてください。
鉄砲で単独猟やってみるか、という時点であなたの野生の血は戻ってきてますよ。
さて、本題のStopです。
Stop→Look→Listen→SmellなのにStopを最後の記事にもってきたのには理由があります。それは、立ち止まること自体には捜索の要素がなく、あくまでもLook、Listen、Smellを行うためにStopするからです。
確かに、猟場での行為はStopから始まりますが、Look、Listen、Smellの目的と方法を頭に入れないままStopしても十分に機能しません。
Look、Listen、Smellの記事を読んだビギナーの方は「気にすべきことが多すぎ!ゆっくり歩いてもこなせないよ!」と嫌になったかもしれません。
わたしも同じです。いくらスピードを落としても難しいので、立ち止まります。
立ち止まったうえで、その場の地形や獲物の濃さを判断材料にして、Look、Listen、Smellするようにしています。
どのくらいの時間、Stopするのが正解か気になる方がいるかもしれませんが、その時、その場所、自分の経験値で正解は違います。
その日の単独猟に費やせる時間と予定のルートから考えるものでしょう。
わたしの場合、時には獲物の音や臭いをキャッチしたものの目視確認までに時間がかかり、半径20m内を少し移動してStopを繰り返し30分かけたこともあります。
ところで、「スニーキング」のコツの一つに「立ち止まる」があります。
Look、Listen、SmellのためのStopとスニーキングのStopは、結果的に一定数集約されますが目的は別です。
LLSのためだけにStopすることもあれば、スニーキングだけを意識してStopすることもあります。次回の記事「スニーキング」で触れます。
最後に、おまけでStand&SitのSを追加します。
山は起伏に富んだスペースです。立木・岩・茂みなど遮蔽物も多いです。
そのため、同じ場所でも立つと座るでは見える範囲がかなり異なります。
獲物の気配を感じているのに見つからない、かといって派手に歩き回るとバレる心配がある、そんなときにはそっと座ったり立ったりしてみてください。
座ってみたら(立ってみたら)獲物が見える、ということはあります。
# | 記事タイトル | 概要 |
1 | 実績 | 単独猟初心者の初回~11回目の実績 |
2 | “自宅” | 初心者ほど自宅の練習で効果が出る |
3 | “射撃場” | 腕を上げるだけじゃない。力量を知ると猟果につながる |
4 | “猟場-Look” | 最も使う五感は視覚。効果的な視界の使い方 |
5 | “猟場-Listen” | 耳で獲物を探す。電子イヤマフは武器である |
6 | “猟場-Smell” | 臭覚が役立つピンポイント |
7 | “猟場-Stop” | 獲物を探すときになぜ立ち止まるのか |
8 | “忍び猟の猟装” | 高価な猟服じゃなくてもいい |
9 | “忍び猟の行動(1)” | 歩き方と目配り |
10 | “忍び猟の行動(2)” | 地形、遮蔽物の利用、獲物との距離 |
11 | “小さな気付き(1)” | 立ち止まるときの姿勢、休憩する場所と鉄砲の置き場所 |
12 | “小さな気付き(2)” | 自分が得意なスタイルを探す。立射は安定しない? |
13 | 助言を試す(1) | 見下す位置、怪しいカタチ、自然にない音を持ち込まない |
14 | 助言を試す(2)” | 自然にない臭いを持ち込まない、風向き |
15 | まとめ | 持たざる者が猟果を出すためのポイント |
「獲得率82%の単独猟初心者が使っているノウハウ⑦ “猟場-Stop”」に2件のコメントがあります