獲得率82%の単独猟初心者が使っているノウハウ⑤ “猟場-Listen”

単独猟始めて半年未満のビギナーが、犬なし・スコープなしスキート銃・猟友会ベスト帽子着用で、猪・鹿の単独猟に11回出猟し、9頭を回収しました。

猟果につながったポイントを振り返ると5点あります。今回は#3-Listenです。

#1.自宅で、据銃や装填などの練習をしていました。
#2.射撃場で、スラグ撃ちの練習をしていました。
#3.猟場で、スニーキング/SLLS(Stop.Look.Listen.Smell)を意識して実践しました。
#4.実践で気付いたちょっとしたことを積み重ねました。
#5.経験者のアドバイスを実践していました。
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今回のキーワードです。
SLLS(Stop.Look.Listen.Smell)のListenです。

人間の五感による知覚の割合は、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1%と言われているそうです。(ソースはググって最初に出た記事です笑)

わたしの単独忍び猟では、視覚85%、聴覚12%、嗅覚3%です。
ほぼ視覚に頼っていますが、聴覚と嗅覚の15%を切り捨ててしまうと6.7回に1回は獲物をスルーするわけです。
多いとは言いませんが、聴覚と嗅覚がその日の決め手になることはあります。


街暮らしで音に関する仕事に携わってなければ、聴覚を意識して使う場面と言えば、部屋で行方不明になったスマホに電話かけてもらってバイブ音を探すとか、電波が悪い場所で電話相手の声を聞きとろうとするとかでしょうか。

日常生活で音量に困る機会が減っていて、聴覚を意識して使うことに不慣れになっていると思うのですね。

それで「狩りで聴覚を使う」と言われても『どうせコアな狩猟好きが特殊な(中二病的な)アピールしてるんでしょ』と感じる方もいるかもしれません。

ところが今のわたしにとってListenはハッキリと「狩りの武器」と言えます。


1.「聴覚」にはできるけど「視覚」にできないことがある
単独猟でドキドキするシチュエーションの一つに、尾根を越えたり小丘に回りこんだりしてそれまで自分の死角だった範囲の捜索があります。

獲物からも死角なので、そっとのぞき込めば自分が先に気付ける可能性が高くチャンスが生まれるからです。

いくらドキドキすると言っても山には無数にそういう場所があるので、すべてのぞこうとすると想定のルートを歩けなくなります。
しかし、のぞきこまなかった死角に獲物がいるかもしれません。

悩ましいですが、すべてにおいてベストの方法をとることは現実にはできないので、自分が納得できるベストミックスを目指します。

視覚は遮るものがあればその先は見えませんが、聴覚は直線上に遮るものがあっても音を拾うことができます。
姿かたちをとらえることはできないし、方向もおおざっぱにしか把握できませんが、獲物がいると分かれば視覚に切り替えればいいのです。


2.「車は移動に便利だから使う
「鉄砲は遠くの獲物を仕留めるのに便利だから使う」
「スコープは遠くの視認性があがり便利だから使う」
「ナイフは肉を分断するのに便利だから使う」

これらと全く同じです。
電子イヤーマフ(集音機能付き)は遠くの音を聞くのに便利だから使う。

「俺は電子イヤーマフを使ったことないし使わない」という知人いますが「ソロバンでも計算できる」という旧世代を見る思いです。
わたし自身がスコープを使わない狩りを続けてきたので、補助機器を使わないスタイルを何も否定しないですが「電卓・Excelは使えない」と言われたら賛成は難しいです。

わたしはイヤマフの左だけ耳に着用して、右耳は着用せずに生耳(?)です。
片方だけ使う理由は後で書きます。


今から書く経験はスキート銃の猟ではないですが、大切なので書かせてください。

結果から書くと、尾根を越えて40mほど離れた場所にウリボーが2頭いました。

尾根の手前を歩いているので当然視覚でとらえることはできません。
そして、右耳(生耳)では何も聞こえないのに、左耳(電子イヤマフ)では小さなカサカサと葉っぱを散らす音が聞こえるのです。

思わず周囲を見回したのですが何もいません。
右耳にも電子イヤマフを着用して、聞き間違いでないか確かめると微かにですが尾根の向こうから、カサ…カササ…と音がします。

イヤマフを外して30秒ほど耳を澄ましても何も聞こえません。

それから尾根の先をのぞき込むと40m先にウリボーが歩いていたのです。

40m先のウリボーをスキート銃のリブ撃ちで獲る自信はないので、あくまでも「見えない位置や生耳では聞こえない距離の獲物を発見できる」という話になります。

3.耳を射撃音から保護する
わたしの周囲では、狩猟アンテナの12%を担う貴重な聴覚の保護をないがしろにして平気な人が多いです。わたしから見ると少なからず聴覚にダメージを受けています。

聴覚を活かした狩りの話を聞いたことがないのは、アンテナの12%しか占めてないからではなくて、少なくないベテランが12%のアンテナを損なっているからではないかと思います。

特に長年やっている高齢者の難聴率は高い印象を受けます。
日常生活まで口出しする立場ではないですが、かなり不便そうです。
昔は電子イヤマフが普及してなかったのでしょうか。本当に気の毒です。

「猟場は空間が開けていて耳にダメージはない」という意見は賛同できません。
ご本人に向かっては言いませんが、それを言っている人も難聴ぽいのでこちらは大きな声で話しかけてますから。

耳を保護しながら、遠い獲物の足音を拾える電子イヤマフの着用をオススメします。

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イヤマフの左だけ耳に着用して右耳は着用せずに生耳、の理由です。

左耳で遠くの音を拾い、右耳で近い音の方向をキャッチするためです。


【左耳】
着用しているイヤマフは集音マイクが前向きについています。
横やうしろの物音も前から聞こえるように感じます。
木々の枝を移動する鳥のたてる音と、地面を歩く鹿がたてる音の高低差も区別がつきません。
しかし生耳では聞こえない遠くの音を拾ってくれます。

【右耳】
イヤマフ着用した耳のように遠くの音は聞こえません。
しかし生耳は全方位の音源を大まかに把握できます。


どちらもデメリットはありますが、欲しい機能を片方ずつ持ってきたわたしのベストミックスです。

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#記事タイトル概要
1実績単独猟初心者の初回~11回目の実績
2“自宅”初心者ほど自宅の練習で効果が出る
3“射撃場”腕を上げるだけじゃない。力量を知ると猟果につながる
4“猟場-Look”最も使う五感は視覚。効果的な視界の使い方
5“猟場-Listen”耳で獲物を探す。電子イヤマフは武器である
6“猟場-Smell”臭覚が役立つピンポイント
7“猟場-Stop”獲物を探すときになぜ立ち止まるのか
8“忍び猟の猟装”高価な猟服じゃなくてもいい
9“忍び猟の行動(1)”歩き方と目配り
10“忍び猟の行動(2)”地形、遮蔽物の利用、獲物との距離
11“小さな気付き(1)”立ち止まるときの姿勢、休憩する場所と鉄砲の置き場所
12“小さな気付き(2)”自分が得意なスタイルを探す。立射は安定しない?
13助言を試す(1)見下す位置、怪しいカタチ、自然にない音を持ち込まない
14助言を試す(2)”自然にない臭いを持ち込まない、風向き
15まとめ持たざる者が猟果を出すためのポイント
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