(前の記事の続きです)
前の記事の続きと言いながら、タイトルも変わっていきなり脱線します。
—————————-
「とにかく山に行くんだよ」
初心者が「どうやったら獲れるようになるんですか!?」と尋ねればそう言われます。
中には「射撃場も行かなきゃね」とアドバイスを付け加える方もいますね。
いつも山を歩き回れば地形や獲物の生態に詳しくなり、チャンスが増えるでしょう。
射撃場に通って課題意識を持って撃ち込めば上手になるでしょう。
山や射撃場に通える人はそれがいい。王道に違いありません。
でもね、と思います。
わたしは猟場や射撃場に行くために仕事やプライベートの調整が不可欠です。
結構、大変です。
運よく月に3回出猟できることもありますが、一度も出猟できないこともあります。
そういうハンターが猟果を上げるには、運に任せるか、天賦の才あれかしと願うしかないでしょうか。
3つの観点が大切と考えています。
1.自分の条件を把握する
わたしはハンターに有利な条件が少ないです。
・街暮らし。片道で、山には1時間、スラグ射撃場には3時間かかる。
・農林畜産業・狩猟関連の仕事に携わっていなくて山を知らず、獣を知らなかった。
・運動は苦手、筋力は低い。
・山登り、サバゲーの経験なし。銃器の知識なし。
・スキート銃で9ヵ月前に単独猟開始。ボルト銃とスコープ買って4ヵ月。浅い経歴。
*2021年4月中旬 時点
大物猟に有利な狩猟経験も少ないです。
・スキート銃で3期の鴨撃ち経験あり(通算15回)
・猪の巻狩に3回連れて行ってもらったことはあるがほぼ見学状態。
ネットや雑誌ではスゴ腕のベテラン達が活躍されています。
山里で生まれ育ち、狩猟や山林関係の経験が長い、頻繁に山に入れるような狩猟に適した生活環境にいる、元自衛隊で野外活動や銃を熟知している、体力を必要とする仕事に従事していて体が強い、銃器・弾・光学機器の知識が豊富 等 わたしにとっては特別な人が多い気がします。
そういう人達と比べると…
わたしが自分を「持たざる者」という理由です。
しかし「ないない」言っても始まりません。持っているものに目を向けます。
・Twitterで犬なし単独猟ハンターや射撃の実力者からアドバイスを頂ける
・リアルでは犬あり単独猟の師匠や先輩に可愛がってもらっている
・数ヵ月に1回射撃場に行って数十発撃つ資金がある
・独学だが、狩りを振り返り、据銃練習とイメージトレーニングを行う習慣がある
・裸眼視力1.5
あまりパッとしないかもしれません。
ちょっと強引に書いた感じもしますがわたしの「持っているもの」です。
2.自分の価値観で評価基準を作る
使う道具に関係なく、わたしが自身を評価する基準はこちらです。
・出猟回数に対する獲得数=獲得率
(ボウズはNG)
・発射数に対する回収頭数=有効命中率
(回収に繋がるヒットはOK。半矢・失中はNG)
自分に甘いので、獲った記憶ばかり残して上達した気になりそうです。
そうならないように、出猟回数、発射数、回収した獲物にあたった弾数、失中数、半矢で逃した頭数、獲物の獲得数を記録しています。
集計表の抜粋です。(抜粋なので足しても合計になりません)

仕事やプライベートが忙しいなら一ヵ月近く山に入れないことだってあります。
できないことを目標にしても意味がないので、例えば「毎日出猟するハンターと同じくらいたくさん獲る」みたいな内容にはしません。
ところで、スキートは3年で散弾を800発撃ちましたがスコアは20枚を超えませんでした。走る鹿を外した経験があり、飛んでる皿や走る獲物は不得手と実感しました。
猟場で撃たずに見送った獲物の数は撃った数の倍以上です。その内の何頭か撃てば獲れた可能性はあります。
しかし自己評価の基準があるので慎重になって、獲る自信がなければ撃ちません。
スラッグ射撃の練習は400発前後撃ってますが、この24発のためです。
ちなみに、猟犬で獲物をおこして走っているところを失中を織り込み済みで数発撃って獲るスタイルなら、有効命中率(造語です)は比較的低くなるでしょう。
わたしはこのスタイルで自己評価しないというだけで、このスタイルで活躍されているハンターの皆さんはカッコいいと思います。
3.自分の理想実現に向けて現実的に行動する
上達の王道が「とにかく山に行く。射撃場に行く」だとすれば、自分にはそれができないことを認めます。そして、できることをやります。
精度を保てる有効射程が短いスキート銃+照星*の単独忍び猟では、先に獲物を見つけてできる限り近づき確実に仕留めるスタイルを理想としていました。
猟場でSLLS(STOP/LOOK/LISTEN/SMELL)とストーキングを徹底するために、成否の原因分析をして、成功ケースを再現するために分解して頭で理解するように心がけました。
SLLSやストーキングなど初心者目線でまとめた記事はコチラ
現在は、 精度を保てる有効射程が長いボルト銃+スコープ を使っています。獲物を見つけた位置からできる限り距離を詰めずに急所を撃って仕留めるスタイルを理想としています。
SLLSとストーキングは大切ですが、射撃精度が必要になります。しかし要領のよい方ではないので、数ヶ月に一度数十発撃っても十分に上達しないかもしれません。
わたしにできることは猟場をイメージした据銃練習です。便宜上、据銃練習と言っていますが、獲物に遭遇・二頭目がいるか確認・装填・狙う・空撃ち・残心・二発目を装填・狙う・空撃ちといった一連動作のことです。
ボルト銃+スコープでやっている据銃練習はコチラ。
猟場向け据銃練習の時に的撃ちは全然意識していませんでしたが、撃ってみたらグルーピングが改善していました。前回のゼロインから射撃場に行っていないので、スコープをのぞくことと射撃姿勢に慣れたことが要因のようです。
自分のグルーピング(射撃の腕前)が分かれば、どの獲物のどこを狙うか、どの獲物を見送るべきか判断しやすくなります。失中が嫌いなわたしとしては大切なことです。
ようやくタイトルの答えが出てきました。だからわたしは据銃練習しています。
*スキート銃+照星 あてる自信をもって撃てるのは40mが限度でした
**ボルト銃+スコープ 現時点の最長は70m。70m超は未経験。
↑わたしにとっての話です。
まとめ
「持っているもの」を大事にして、理想のスタイルを目指してやっている結果を自己評価します。
・出猟数21回に対して回収17頭・・・獲得率81%
・射撃数24発に対して回収17頭・・・有効射率71%
*2021年4月中旬 犬なし単独猟を開始から9カ月
もっと磨きをかけたいから満足していないです。
けれど自分で立てた方針に沿った結果になっているので納得しています。
長い経験のもと自分のスタイルを築き上げたハンターから見れば、独りよがりと言うかもしれません。
猟のスタイルを決めることで可能性が狭まる、という指摘もあるでしょう。
その通りです。わたしもそう思います。
”独りよがりで可能性を狭めるらしい。知識も技量も経験もなくて狩りに有利な条件が少ない。もうおっさんで思う存分に時間をかけることはできない….etc.”
”それでも納得できる猟果が欲しい!”
そう願うなら有効な作戦は、選択と集中、でしょう。
色々ある猟のスタイルから自分がやりたいスタイルを選び、イメージを具体化し、実現するには何が足りないか確認して、取り組み範囲を決めて集中して取り組む。
そうすれば、オールマイティなハンターにはなれなくても、「持たざる」初心者にも自分を納得させるスタイルに近づけると思います。
Twitterで「山と射撃場に通えない初心者ハンターにできること」を募集しました。
具体的な取り組みをリプで頂いていますので、興味ある方はどうぞ。
最後はゆきちまるさんにイラスト描いて頂いた「心の俳句」でしめましょう。
ルーティンの 据銃練習 実を結ぶ
………………………………
面白かったらバナーをクリックしてください。ランキングがあがります。
あなたが応援してくれたらブログ更新します。

