【単独猟のポイントは記事の最後にMEMOをまとめています。本文の太字部分と連動させています】
2020年12月某日
購入したばかりのボルトアクション銃の射撃練習は、膝射や座射などの安定姿勢でまとまりがなく立射中心になりました。
50mバイタルが何とか狙えるレベルです。できる限り委託して撃つつもりです。
さて、せっかく新銃で出かけるので初のエリアを目指します。
今までは引き返していたエリアでそのまま尾根筋を歩きます。
遠くに白うさぎが跳ねるのが見えた、と思いましたがどうやらバンビのお尻ハートマークだったようです。そのまま下って見えなくなりました。
わたしから逃げたというよりはちょうど移動していただけ。
周囲に注意を払いながら歩いていきます。
電子イヤマフがカサカサと落ち葉の動く音をキャッチしました。
イヤマフをずらして生耳のままの右耳で音のする方向を確認します。
少しずつ距離を詰めていきますが、獲物は見えず、獣臭も感じられません。
しかし音は聞こえています。
どれだけ見渡しても獲物がいなません。
このまま時間を浪費したくないので少し足音を立てて歩き出すと、ハトが派手な音を立てて飛び立っていきました。
その後、落ち葉を動かす音がしなくなり、ハトが歩く音をキャッチしていたと気付きました。
ハトか四つ足か(今はまだ)区別できませんが、集音機能は直線上に遮蔽物があっても音を拾ってくれるので可能性を探す観点では目視にはない捜索が可能です。
派手に音を立てて飛ばれましたが、自然界ではよくある音でしょう。
きっと鹿も気にしていないはずなので、バンビが消えていった斜面に向かって進みます。
下り斜面の手前まで歩くと、鹿パラダイスのエリアでした。
ただし、群れが散らばって広がっています。
わたしの進行方向に見える3頭のグループは座って反芻しています。
下り斜面を見下ろしたスペースにいる4頭の鹿グループはのんびり歩きながら草を食んでいます。
反芻している鹿たちは周囲に視線を向けているため近づくとすぐにばれそうです。
草を食んでいる鹿たちは地面に視線を落としているように見えます。
ボルト銃でスコープをのぞいて撃つ初のチャンスです。
ゆっくりと正確に狙いをつけて撃ちたいです。
立ったまま構えると思いのほか距離が遠く、木で見え隠れする鹿をレチクルのクロスに重ね続けられません。
座射で構えると下り斜面の凹凸があって姿勢が不安定になります。鹿の姿もよく見えません。
立ち上がって左手の木に、左肩から肘を押し付けて体全体で体重を乗せて脇をしめて構えると銃の揺れがおさまりました。
射撃場の委託まではいかないまでも段違いの安定感です。
鹿との距離は射撃場の50mより遠く、100mよりはずっと近いです。目測70m。
50mゼロインして100mではドロップが15cmだったので、やや弾が下目に着弾するでしょう。
縦の着弾予測にズレがあってもいいようにネックを狙います。
Savageのアキュトリガー、二段階のトリガー一つ目をすっと引き、発射に繋がる二つ目のトリガーを引き絞ります。
鹿の正面にヒットしました。滑り落ちるように逃げていきます。
群れは一気に駆けだしていきます。初めてのエリアで拡散した獲物たちがどこへ消えたのか想像できません。
半矢になっている鹿を追います。
30mも下りると低く葉の茂ったエリアです。鹿がどこにいるか見えません。
無暗に追えば逃げられます。
立ち止まり、耳を澄ませると、コツンコツンと聞こえます。
音の方向を確認できました。草の薄い場所を探しながら向かいます。
警戒されないよう静かに下っていくとコツンと音がします。
さらに音に集中して目を凝らします。
この画像に鹿が写っています。どれだか分かりますか?

もう少し近づいてみましょう。

ここまでズームすると分かりますね。
正解は記事の最後に載せておきます。コツンコツン。
鹿の正面に回り込むとツタに足が絡まって、胴体も木と岩に挟まって身動きがとれないでいます。バイタルに着弾していますが即死とはなりませんでした。
瀕死でこれ以上苦しませないよう弾痕の下、腕頭動脈を意識してナイフを入れます。
静かに絶命しました。
その後、ツタを外し胴体をお尻側に引っ張って抜こうとしますがきつくはまっています。自分の上半身をのけぞるように体重かけて引き抜きました。

turkey220の初猟は小柄なメス鹿になりました。
見た目の派手さはありませんが、臭みがなく肉は柔らかいです。
でかい個体と比較すると、解体の時間がかからないのも嬉しいです。
成功を噛みしめて帰路につきました。
鹿の居場所 正解はコチラ

コツンコツンは右手の岩を蹴っている音でした。
【MEMO】
・猟場では安定の膝射や座射がフィットしない局面がある。といって立射は不安定なので、体や鉄砲を木等に委託するのが有効。かなり安定する。
・電子イヤマフの集音機能でキャッチ→四つ足が見当たらない→臭いでも確認できない→でも近くに何かいる→なんだハトか…
という楽しみ方が電子イヤマフを使ったSLLSです。
・枝、葉を踏む音は自然界にも存在する。ハトが飛ぶ音も珍しくない。
あまり神経質になると集中力を消費するので、発生した音にとらわれない姿勢が大切。
【諸条件】
・鉄砲:ボルトアクション銃20番
・照準:スコープ vixen1-6X24
・弾種:Dupo
・弾数:1発発射-1発命中(バイタル)
・距離:目測70m
・獲物:鹿(メス)-回収済
・目的:有害鳥獣対策
※当ブログでは、狩猟と有害鳥獣の駆除で異なる表現を同一に扱ったり暗喩・直喩を用いたりする場合があります。作業工程の記述を省略している場合もあります。いずれの場合も法令に則り適切に行動・処置していますが、誤解を招く表現は速やかに修正しますので「お問い合わせ」よりご連絡ください。
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