単独猟 第7回 “母親”         (猪) 犬なし/スコープなし スキート銃

【単独猟のポイントは記事の最後にMEMOをまとめています。本文の太字部分と連動させています】

2020年10月某日

一番遠い猟場に着くと業者さんが法面工事中。挨拶して話を聞くと終日作業をするとのこと。業者さん良い気はしないかもしれないし、獲物も山奥に逃げているだろうと猟場を変えることにしました。

山に入って間もなく子鹿に遭遇します。小丘の端が直角で死角になっていてその付近で草を食んでいます。距離は30mで開けているもののバックストップがありません。
苦しませずに済むヘッドショットを目標にして、小丘沿いに子鹿がいる直角あたりまで寄っていきます。

子鹿が死角に隠れているもののスピード上げると枯葉を踏む音がたちます。
逸る気持ちを抑えて死角に辿り着くと気配を感じますが角には不安定な石が転がっていて音を立てずにそっと覗くことができません。思い切って踏み出すと2mの距離にいます。

「頭はどこ?」

超至近距離で立って草を食んでいる子鹿の頭は想像以上に小さく低い位置にあり、すぐに狙いをつけられません。子鹿はわたしを見るか見ないかの内に体を翻して、小丘を弾かれたように駆けてしまいました。
駆けて行った先で親鹿と合流し、見上げた遠い場所で立ち止まってこちらを見ていましたが、しばらくすると風景に溶け込んで見失いました。

画面中央の小丘は土俵型。角を曲がると小鹿が目の前にいた。

気を取り直してルートを変更し枯れ沢を渡って別の尾根に取り付きます。親子の鹿追いに時間を使ってしまったので、中腹を横断しながら帰ることにします。

忍び歩いているとふと獣臭さが鼻をつきます。山の中にある獣の糞は新鮮でもほとんど匂わないので近くに何かが潜んでいる可能性があります。
遠く正面を見るとオス鹿が早足に遠ざかっていました。しかし獣臭さは変わりません。

立ち止まっていると斜め上の背の低い藪からガサガサガサと音が聞こえウリ坊が3頭駆けのぼっていきます。距離は20m程度ですが獲物が小さくてあたる気がしません。

為す術なく見送っていると手前でむくりとメス猪が立ち上がり周囲を窺っています。
丸見えなのでメス猪の視界に入っているはずですが、わたしが動いていないせいか棒立ちです。
距離は15m。静かに、しかし、速やかに装填すると胴体と頭の間を狙います。

第4回で構え直す間に逃した経験から、間を置かずトリガーを絞り撃ちます。
走っているのか転んでいるのか分かりませんが斜面を10mほど滑っていきます。
倒木の枝にひっかかるように頭を突っ込んでいるのですがゴフゴフと鼻息が聞こえます。

半矢の猪は座り込むような姿勢からまた走り出すことがあると聞いたことがあったので、同じ場所を狙って二の矢を撃ち込みました。
それでも僅かに息があるのでナイフで仕留めます。

※第一種銃猟免許保持者が有害鳥獣対策の従事者として法令に則り駆除したものです

引き出して冷静に見るとネックと目の下に着弾しています。全身の肉が獲れる状態で嬉しいですが猪を一人で解体するのは初めてです。

頭を落とすため首回りをカットしていくとネックの骨が砕けていました。弾が抜けた形跡がなかったので十分なストッピングパワーを発揮したようです。

腹を開いてみると鹿と違って内臓がボリューミィです。肛門や股の処理で手間取ったものの剪定ハサミで解決し無事に持ち帰りました。ウリ坊を産んで間もないせいか脂は少なめでしたが、臭みはなく美味しいメス猪でした。

※第一種銃猟免許保持者が有害鳥獣対策の従事者として法令に則り駆除したものです。(写真はモノクロにしています)

【MEMO】

猪は独特の獣臭がある。犬なし単独猟の場合、自分の五感が頼りとなるが近ければ犬でなくても気づけるレベルなので臭覚も意識すること。寝屋には猪不在でも臭いが残るため鹿の寝屋と区別できる

・腸を抜く方法。肛門の周囲をくり抜いて腸を外す方法と股の骨を割って引き出す方法のどちらか、個体ごとのやりやすさで使い分ける。初めての猪で肛門の周囲をくり抜けなかったが股の骨を割る方法に切り替えて対応できた。知識だけでも複数のやり方が頭にあって助かった。

・ストッピングパワーが強いDupo12番を至近距離でネックとヘッドに撃っているのでダメージ十分。威力は信頼できる

・母親の猪、ウリボーたちを先に逃がしたのか.. 母性を思う..

【諸条件】

・鉄砲:上下二連スキート用12番

・照準:リブ+照星(光学機器なし)

・弾種:Dupo 

・弾数:2発発射-2発命中(一発目:ネック 二発目:ヘッド)

・距離:目測15m

・獲物:猪(メス)-回収済

・目的:有害鳥獣対策

※当ブログでは、狩猟と有害鳥獣の駆除で異なる表現を同一に扱ったり暗喩・直喩を用いたりする場合があります。作業工程の記述を省略している場合もあります。いずれの場合も法令に則り適切に行動・処置していますが、誤解を招く表現は速やかに修正しますので「お問い合わせ」よりご連絡ください。

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単独猟 第7回 “母親”         (猪) 犬なし/スコープなし スキート銃」に2件のコメントがあります

    1. 因島のトラさん
      コメントありがとうございます。
      第12回までは、犬なし・スコープなし・スキート銃でスラグ撃ちの話が続きます。
      単独猟初年度のビギナーですので是非ともご意見・感想をお寄せくださいね!

      いいね

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