単独猟 第5回 “断頭”         (鹿) 犬なし/スコープなし スキート銃

【単独猟のポイントは記事の最後にMEMOをまとめています。本文の太字部分と連動させています】

2020年10月某日

前回、前々回に続いて鹿笛を吹きながら山をめぐっています。笛を吹けば鳴き返しがありオス鹿がやってくる、そんな野生生物とのやりとりに惹かれています。今回は尾根を登らず山道と平行に尾根の端を横切るルート取りです。端はアップダウンが少なくてスムースに移動できるので初めてのエリアまで足を伸ばします。

海に浮かぶ小島のような小丘に沿って進むと登りの斜面に寛ぐメス鹿が見えます。体の下半分は手前の岩に隠れています。メス鹿との距離は目測で80m以上あって上下二連を構えてると照星に鹿がかぶって狙いがつけられません。視界の端でメス鹿をとらえながら、立木の間をじわじわと移動して60mまで近づきます。

ガレ場で鹿との間に木がなくなり互いの視界を遮るものはありません。膝射の姿勢でメス鹿を見ていると、メス鹿の後ろに体格の良い三段角のオス鹿が近づいています。

わたし→60m→座っているメス鹿→20m→立ったオス鹿 という直線の位置取りです。

オス鹿をよく見るために立ち上がると、オス鹿は鋭く「ピャッ!」と警戒するものの二頭とも凝視したままです。しかしこのままでは膠着しても近づいてくることはありません。といって近づけばすぐに逃げ出しそうな様子です。

射撃場で練習した50mより遠く、座り姿はより小さく見えますが、照星を重ねるとどうにか狙いがつけられます。上下二連50mのグルーピングは半径30~40cmのため胴体(左半身)を撃ちます。

射撃音とともにメス鹿は跳ね上がり、辺りをぐるぐると駆け回ります。オス鹿は奥へ去りました。前回走っている鹿に失中しているので二の矢を撃つタイミングを慎重にはかります。よく見ると弾は胴体を貫いていて右半身から腸が露出したまま走っているのです。そして鉄砲を構えているわたしの正面に直線的に突っ込んできます。小柄とはいえこのスピードで体当たりを食らえばケガは確実です。

10m程度でバイタルに二の矢を撃ちますが左折して走り去ります。また外したかと思いましたが、追うと100m先で倒れるのが見えました。近寄ると細い倒木の下に滑り込むように息絶えていました。薬莢を拾うために撃った場所に戻りましたがやはりオス鹿の姿はありませんでした。

※第一種銃猟免許保持者が有害鳥獣対策の従事者として法令に則り駆除したものです

自家消費のために解体します。倒木をよけて平らな場所へ移動します。

※第一種銃猟免許保持者が有害鳥獣対策の従事者として法令に則り駆除したものです

昼から歩き通して鹿を引っ張りだしたので、解体作業の前に小休憩をとります。
Twitterを開くと凄腕プロハンターのりょうさんがスカル用の解体方法をレクチャーしています。
最初に頭を落とすので刃先の位置を教えていただいてスタート。
無事に終了しました。

【MEMO】

スキート銃のリブ+照星で狙える距離は、獲物のサイズにもよるが60~70mが限度ではないか。それ以上の距離となると、グルーピングの問題もあるがそれ以前に照星で獲物の姿が隠れてしまって精密な着弾点の予測は困難

・パニックになった獲物が駆け回ると危険。残心して二の矢や移動の心構えでいること。

光学機器を装着しない銃でも静的射撃の練習は有効。静的射撃場ではスコープやダットサイトを装着した鉄砲で練習する人ばかり見かけますが、自信を持って撃てる距離を把握したり、発射と脱包を一連操作として体得したりするためリブやサイトで撃つ人も練習する文化が定着してほしい。

使用したMonolitという弾は枝を貫通して獲物を狙えることがウリになっている。当然バックストップを確認して発砲するが、犬を使った巻き猟のように獲物と犬が近い場合は獲物の体を抜けた弾が犬にあたったり跳弾したりする可能性がある。今回も小柄な鹿の胴体を突き抜けている。ストッピングパワーが弱いために一発で仕留められなかった可能性がある。

【諸条件】

・鉄砲:上下二連スキート用12番

・照準:リブ+照星(光学機器なし)

・弾種:Monolit 

・弾数:2発発射-2発命中(一発目 胴体-腸、二発目 バイタル)

・距離:一発目60m、二発目15m

・獲物:鹿(メス)-回収済

・目的:有害鳥獣対策

※当ブログでは、狩猟と有害鳥獣の駆除で異なる表現を同一に扱ったり暗喩・直喩を用いたりする場合があります。作業工程の記述を省略している場合もあります。いずれの場合も法令に則り適切に行動・処置していますが、誤解を招く表現は速やかに修正しますので「お問い合わせ」よりご連絡ください。

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