単独猟 第4回 “殺気”         (鹿) 犬なし/スコープなし スキート銃

【単独猟のポイントは記事の最後にMEMOをまとめています。本文の太字部分と連動させています】

2020年10月某日

前回、一つ目の尾根を越える場所まで行動範囲を広げて、二段角のオス鹿を獲って少し自信がついたわたしは鹿笛を吹いて山をめぐる予定です。注目している二つのポイントで鹿に出会えることを願って入山します。

入山して尾根筋を直登していると、遠く岩の凹凸の奥に立派な角のオス鹿が見えます。距離は80mほどでしょうか。すかさず身をかがめて鹿笛を吹いてアピールしますが、そっとのぞくとオス鹿の姿は見えません。
聞こえなかったのか興味を引けなかったのか分かりませんが惜しいです。まだいるかもしれない…淡い期待で岩場に身を隠しながら30分近く凸凹の奥をコソコソとのぞきますが、いないものはいないのです。

一瞬視界にとらえたオス鹿は尾根筋を登って行ったように見えたので、わたしも直登を再開します。400mほど登ると尾根筋が消え、斜めにカットした円柱を斜面に据え付けたような地形になります。
円周には獣道が数本走っていて期待が高まります。円柱の地形を登り、平らな面にある寝屋を囲む4本の木々は寝屋に面した表皮が削られています。オス鹿が武器である角の先端を研いだ跡です。

ここでも30分ほど潜んで鹿笛を吹きますが何もリアクションはありません。倒木が崩れないことを確かめ、腰かけて昼ごはんにします。

※寝屋を中心に周囲の木々は角研ぎによって表皮がなくなっている

第3回でオス鹿を獲ったポイントに向けて獣道を進みます。次の尾根を横断するように忍び足で歩き、尾根を越えると目の前に鹿の親子が足を畳んで横たわり反芻しています。手前にいる小鹿との距離は3mもありません。

危険を察知されれば即座に飛ばれてしまいます。スローモーションで負い皮を肩から外し、装填。二頭の鹿は反芻をやめ、緊張感を漂わせてわたしを凝視しています。じわじわと鉄砲を頬付けし肩付けしても鹿は凝視したまま微動だにしません。
ただただ「逃げてくれるなよ」と念じながら目の前の鹿に照星で狙いをつけるのですが、あまりにスローモーション過ぎて頬付けも肩付け狙いもしっくりきません。

次の瞬間、後ろにいた親鹿が鋭く「ピャアッ!」と鳴き、跳ねるなりトップスピードで走り出すと、ほぼ同時に手前の子鹿も水切りの石のように走りだします。
走り出した方向へ体を向け矢先を確認するコンマ数秒にも駆けていくので、子鹿の背中を目がけて2発撃ちました。しかし、かすりもせず林の中へ消えました。

https://twitter.com/karikurashi_jp/status/1313116638691028992?s=20
https://twitter.com/ly_rone/status/1313304801854144513?s=20

思い返してみると、親鹿「ピャアッ!」と鳴く前、無意識に小刻みな動きで構えなおしていました。スローモーションで動き続けている間は“怪しいヤツ”だったのが、僅かな動きであっても素早いのは“危険なヤツ!”と判断されたのでしょう。

その日はもう獲物を探す意欲がなくなり、周囲を見て回りました。角研ぎに使われた木々を見てオス鹿の気配を感じながら下山したのでした。

【MEMO】

忍び猟では思わぬ至近距離で獲物と対峙することがある。死角(尾根を越えた先、小丘の曲がり角など)には獲物がいる可能性を高い。矢先の確認、装填・射撃の心構えができてから死角に臨むこと。

・至近距離に限らず、素早い動きには反応されやすい。自分がオープンスペースにいて獲物を見つけた場合、隠れようと移動すると見つかるのでスローモーションで射撃体勢に移行する方法は選択肢にあっていい。

※小刻みな角研ぎでできたファイアパターン(左)。ベリッと剥がれたもの(右)

【諸条件】

・鉄砲:上下二連スキート用12番

・照準:リブ+照星(光学機器なし)

・弾種:Monolit

・弾数:2発発射-2発失中

・距離:目測15~30m

・獲物:鹿(メス)-失中のため回収不可

・目的:有害鳥獣対策

※当ブログでは、狩猟と有害鳥獣の駆除で異なる表現を同一に扱ったり暗喩・直喩を用いたりする場合があります。作業工程の記述を省略している場合もあります。いずれの場合も法令に則り適切に行動・処置していますが、誤解を招く表現は速やかに修正しますので「お問い合わせ」よりご連絡ください。

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